2018年6月7日木曜日

働き方改革 ~ 牧場とAI

最近テレビの報道番組で北海道十勝のベンチャー企業が開発したクラウド型牛群管理システムの導入事例が紹介されているのを偶々視ることができました。

最近の牛肉価格高騰の原因のひとつが仔牛価格の高騰にあるそうで、畜産農家は自社繁殖に力を入れざるを得ないという状況で、そこに人工知能を使ったシステムを導入、牛の健康維持管理さらには繁殖率の向上という課題が克服された、というお話です。


牛の首に装着した端末が常時牛の健康状態をチェックし、3mの距離にスマホを持って行くとBluetoothでその牛の個体識別番号を認識、その牛に関する必要な情報が把握でき、過去の病歴、治療歴、受精歴などの必要な情報もその場で閲覧できる、という優れもの。

さらには、牛舎に行くことなくリアルタイムで個々の牛の発情兆候開始予想時刻がわかり、精度の高い人工授精に繋げることができ、また、発情兆候の通知の異常から子宮嚢腫や卵胞嚢腫といった病気の発見にも役立つという、人工知能を活用した新システムには驚きました。

紹介された牧場では発情の半分が夜中でこれまで見逃していたことがわかり、発情発見率が従来の2~3倍、80%にまで改善され、結果妊娠率がアップ、自社繁殖率向上に繋がったとのことでした。


加えてこれこそが働き方改革の真骨頂ともいえることは、発情兆候の予知情報が通知されることから、牛につきっきりで発情兆候を目視する必要が無くなり、空いた時間を他の仕事や休養に使うことができるようになったのみならず、あらゆる現場情報が同時にスタッフ全員で共有化されることで、担当者がいつでも休暇を取れるようになったところにあります。

業務プロセスが大きく改善され、念願の新入社員も目を輝かせて来てくれるようになったと当該牧場の社長以下スタッフ全員が大喜びをしていました。


以前に働き方改革法案について触れました。

法案は衆院を通過し、参院で審議入りしましたが、罰則付き残業時間規制はもはや現実のものとなりました。LPガスリテール業界の保安、債権管理などの業務プロセスのデジタル化、見える化、省力化について議論する際に、『牧場を、手のひらに 牛群管理がもっとかんたんに、最新のファームマネジメントプラットフォーム』、は示唆に富んでいる、と強く感じた次第です。